2023年11月4日さいたまスーパーアリーナで羽生結弦のRE PRAYを見た件

えらいものを見てしまいました。

たった一人のアイスショーさいたまスーパーアリーナが満員でした。

 

これはデビッド・ボウイのLow ~Heroes期を見ているのではないか?

そんな印象を持ちました。

 

前半のゴシックな暗黒性、人間と地上のダークネスを

最高の美しさで見せつける数々のプログラム、それは

フィギュアスケートの枠を超えたダンスとスケートを融合したような作品。

フィギュアスケート暗黒舞踏の融合?

ゲームと人間のいる世界の構造自体についての考察?

 

「後先のことはかんがえない」

「こわせ」「わかりたくもない」

極限に達したようなパワーワードが発されました。

 

そして後半の「かみさま」に向けてのまっすぐな祈り。

粋美の暗黒と対比した白い透明な光。

 

全体の印象として、前半の部分が圧巻でした。

若さゆえの勢いと暗黒の美しさ、

ジョイ・ディビジョンかバウハウスか、、、

耽美と力強さの極限でした。

 

羽生結弦氏がデビッド・ボウイだとしたら、演出の

MIKIKO先生はブライアン・イーノ、そんなことを考えるともうわくわくします。

天才が作り出す21世紀の新しい芸術にますます期待してしまいます。

 

デビッド・ボウイはカリスマ性と知性、そして才能を兼ねそろえた

自分を素材にできる総合的な芸術家でした。

私小説のように、哲学書のように音楽を作りました。

その作品は解き明かせない謎に満ちており、

英国で最も影響力のあるアーティストでした。

 

羽生結弦氏は新しい世代の芸術家です、

芸能事務所に所属することなく、自力でここまで来ているのです

こんなアーティスト、大スターが他にいたでしょうか?

 

次回のアルバム(ではなくてw)アイスショーも楽しみです。

羽生結弦氏の健康とよきインスピレーションを心よりお祈りしています。