世代について

1990年代に生まれた人達、特に1994年までに生まれた人達は

恐らく日本が歴史的にも一番栄えていた時代に生まれている。

一人当たりGDPが確か2位だったと記憶している。

(今は37位)

 

1994年というのはバブルは崩壊していたが、

1995年の神戸の震災、オウム真理教の事件の前の年で

まだ明るさが残っていた時代だった、

少しのんびりした時代だったとも言える。

 

1995年の1月以降、あらゆる意味で潮目が変わる。

時代の転換期だったと思う。

 

1990年代に生まれた人達の多くは子供のころは

栄養状態もよく、時間に余裕がある教育を受け(地域による)

しばらくは順調に育っていたのだと思う。

しかし、2008年のリーマンショック、2011年の震災と原発事故などで

10代の多感な時期に堅牢だったはずの日本社会が崩れていくのを

目の当たりにしてきている。

 

彼らの世代は年上の年代よりも、はるかに社会、

世界に対する意識が強く、

高い視座で物事を見ているように思える。

 

我々の世代は外国の音楽を聴くことがカルチャーだったけど、

この年代のカルチャーはゲームであるということが

羽生結弦氏のお陰でよくわかった。

ゲームは神話だし、世界創造なのだろう。

 

そして、羽生氏の哲学、知見と危機意識は非常に鋭利で

古い日本の社会システムなど何とも思っていないように見える。

大体の人は自分の能力によって社会的な栄達を求めるはずだが、

彼にはそのような俗事には興味がないようだし、

自分が生まれてきた純粋な使命のために生きているように見える。

 

彼はどこまで行くのか?

幸運を祈るしかない。